腸の内腔が詰まり、食べた物や便、ガスが通過できなくなる病気です。一番多いのは、お腹の手術を受けた人で、腸管同士が癒着したり、腹壁の傷と腸が癒着したりして起こる、いわゆる癒着性腸閉塞です。退院した当初は誰しも食事には十分、気を遣いますが、慣れたころにうっかり暴飲、暴食したり、食べ慣れない物を食べたりすると、それをきっかけに起こることが多いとされています。開腹手術の既往のある人は、食事には十分、気をつける必要があります。軽いうちでしたら、入院して絶食にし、点滴で栄養を補給するなどして数日で治りますが、放置すると、閉塞した腸が血行障害を起こして腸管が腐ってしまい、緊急手術が必要になるなど大事に至ることがあります。手術の既往がないのに腸閉塞をきたした場合は、小腸や大腸の癌、ポリープなどの「できもの」が原因であることが多いので注意が必要です。 いずれにしろ腸閉塞は、重大な病状の前触れであることが多いので、上記の症状があれば、すぐに食事をやめ、病院を受診することが大切です。