A. 胃の集団検診の目的は何と云っても胃癌の早期発見です。他によく見つかる病気は胃潰瘍や胃ポリ-プなどです。まれに胃憩室などが見つかることもあります。胃の集団検診はバリウム検査で行われることが多く、バリウムを飲み、レントゲンでその形を追いながら検査します。癌やポリ-プ、潰瘍など形の変化として現れる病気はよく診断できますが、胃炎やビランなど形の異常として現れない病気はなかなか診断できません。当然、ピロリ菌感染など、目に見えない病気は診断できません。
A. 緊張し体中に力が入っていると、辛いこともあります。まずリラックスし、手の先まで力を抜くことと、腹式呼吸をゆっくり行うと、それ程苦しいものではありません。ただ一口にリラックスといってもなかなか難しいものです。また精神的にどうしても緊張してしまうという方もいらっしゃいます。検査があまりに苦痛ということでは本末転倒になりかねません。従来は口から内視鏡を挿入する方法が一般的でしたが、最近は鼻から内視鏡を挿入して行う検査もあります。口からの方法と比べ嘔気が少なく、スムースに検査を行えます。
A. 大腸内視鏡検査は肛門から挿入した内視鏡で直接大腸粘膜を観察する方法です。必要があれば組織検査も可能です。注腸検査は肛門からバリウムと空気を注入して病気がないかレントゲンで観察する検査法です。検査の精度としては大腸内視鏡検査の方がはるかに高いと考えられますし、レントゲンの被爆もありません。 また大腸内視鏡検査では検査と治療が同時にできることがあるという利点もあります。
A. 超音波で腹腔内の臓器を体外から観察する方法です。痛みもなく、外来で簡単に行える検査です。癌の再発、転移の検索にも有用です。以下臓器別に記載します。肝臓:腫瘍、肝硬変の有無、脂肪肝の程度、肝内胆管の太さ、石灰化など。胆嚢:胆石、胆嚢ポリープ、胆嚢腺筋症、胆嚢癌の有無など。膵臓:膵臓の腫瘍、膵臓炎の有無、膵管の太さなど観察可能ですが、胃や腸のガスに重なると膵臓全体は観察できません。観察が不十分ならCTなど追加検査が必要です。腎臓:腎結石、腎嚢胞、腎腫瘍、水腎症など。血管:腹部大動脈瘤、狭窄の有無などが検査できます。他にリンパ節腫脹の程度や腹水貯留の有無などの検査が可能です。