下痢でお困りの方へ
頻繁に水のような便が出る状態が下痢です。痛みが伴ったり、症状を繰り返したりします。暴飲暴食などで下痢を経験する方も多いのではないでしょうか。軽い下痢症状のため短期間で治まる場合もあれば、治療が必要な疾患の場合もあります。下痢症状のため水分摂取が十分に行えず、脱水症状を起こす場合、受診をお勧めします。また、下痢が続くだけで日常生活に影響を及ぼします。下痢の症状でお困りの方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
慢性と急性
下痢には、急激に発症する急性下痢と、軟便が約4週間続く慢性下痢とに分けられます。下痢は、小腸における水分吸収量減少や分泌増加、大腸における水分吸収減少などで起こります。
下痢の症状を起こす主な疾患
過敏性腸症候群
検査をしても大腸粘膜に炎症などの病変がないにも関わらず、便秘や下痢・腹部膨満感などの症状が現れる疾患です。下痢型・便秘型・交代型に分けられ、下痢型の場合、突然激しい腹痛の後に水のような下痢が出ます。過敏性腸症候群は、適切な治療によって症状を緩和させることができます。
大腸ポリープ
大腸ポリープができることで下痢の症状が現れます。大腸ポリープは、将来の大腸がんの発症リスクを高めてしまうため、ポリープの段階で切除治療をする必要があります。また、肛門の近くにポリープができると、硬い便が擦れて血便となることがあります。
感染性腸炎
サルモネラ菌やO-157、ノロウイルスなどの細菌やウイルスに感染すると、下痢の症状が現れます。激しい下痢に加えて、発熱や嘔吐を伴うと脱水症状を招く恐れがあるため注意が必要です。感染性腸炎の場合、下痢止めなど市販の薬を服用すると病原体や毒素の排出がされず、さらに病状が悪化してしまうこともあります。このため、激しい下痢が急に起きたら、速やかに当院までご受診ください。
炎症性疾患
炎症性疾患には、クローン病や潰瘍性大腸炎が含まれます。主に、下痢の症状があり、いずれも厚生労働省より難病指定されています。症状の出る活動期と、症状が落ち着いている寛解期を繰り返します。なるべく寛解期を長く維持するためにも、適切な治療を行う必要があります。
下痢の検査
問診では、便の状態について、下痢の頻度、その他の症状、既往症、海外渡航歴、服薬などについてお伺いします。炎症性疾患の可能性が考えられる場合は、大腸カメラ検査を実施して確定診断を行います。その他、便潜血検査・便培養検査・血液検査・便中カルプロテクチン検査・血中LRG検査などを実施することがあります。
下痢の治療
下痢の原因となる疾患がある場合は、まずはその治療を行います。暴飲暴食や冷えが原因の場合は、腸の負担が少ない食事を摂り、水分を十分に摂取し、冷やさないなどに気を付けて安静に過ごします。