血液検査だけで、胃癌のリスクを判定します。
¥4,400
血液検査 | ヘリコバクター・ピロリ抗体 |
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ペプシノゲン |
※ヘリコバクター・ピロリ抗体とペプシノゲンをもとにして、胃癌のリスクを判定するABC検診の結果を併せてご報告いたします。
(1) 事前のセルフチェック(詳細はこちら)を行っていただいた上で、検査リスクが高いと判定された方については、残念ですが、当検診をお受けすることができません。
ピロリ菌とは
ピロリ菌(Helicobacter pylori)は、胃の粘膜(粘液)に生息しているらせん形をした細菌で、主に胃や十二指腸の病気の原因になります。
ピロリ菌の感染率は衛生環境に関連するとされ、50歳以上の日本人の70?80%以上がピロリ菌に感染しているといわれています。ピロリ菌の感染経路はまだはっきり解明されていませんが、経口感染が主な経路と考えられています。多くは4~5歳くらいまでの幼少期に感染し、一度感染すると、除菌しない限り胃の中に棲みつづけます。
ピロリ菌に感染すると、胃に炎症が起こりますが、この時点では症状のない人がほとんどです。また大人になってから初感染すると激しい胃の症状が出現することがあります。さらにピロリ菌の感染が続くと感染範囲が「胃の出口」の方から「胃の入口」の方に広がって、慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)がすすみます。この慢性胃炎が、やがて胃潰瘍や十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、胃がん、さらには全身的な病気などを引き起こすおそれがあることが明らかになってきました。
ピロリ菌の除菌には、胃酸の分泌を強く抑制するプロトンポンプ阻害薬(PPI)と2種類の抗生物質の合計3種類の内服薬が用いられます。この除菌薬を一週間内服することで、約80%の方は除菌に成功します。不成功の場合は、薬の種類を変えて2回目(2次除菌)の治療が可能であり、これにより最終的には約95%の方が除菌されると報告されています
ABC 検診とは、血液によるヘリコバクターピロリIgG 抗体検査でピロリ菌感染の有無を調べます。さらにペプシノゲン検査で胃粘膜萎縮度を調べ、その2つの結果を組み合わせて胃がんのリスクをA,B,C,Dの4群に分類して評価する検診です。
ペプシノゲンとは、胃の細胞から分泌される消化酵素・ペプシンのもととなるものです。ペプシノゲンは一部が血中に流れ出しますので、血中濃度を測定することにより胃粘膜でのペプシノゲン生産度が分かり、血清ペプシノゲン量が少ないと胃粘膜が萎縮(老化)しているということになります。ペプシノゲンには2つのタイプがありますが、ペプシノゲンIは主に胃底腺から分泌されるのに対し、ペプシノゲンIIは胃底腺のほか噴門腺や幽門腺、十二指腸腺からも分泌されます。胃粘膜の萎縮が進行すると、胃底腺領域は萎縮し幽門腺領域が拡張するため、ペプシノゲンIに対してIIの量が相対的に増加してペプシノゲンI/II比が低下します。したがって両者の比を見ることによって胃底腺領域の胃粘膜の萎縮の程度を予測することが出来ます。そしてこの比が基準値以下の場合、ペプシノゲン(+)とされます。
今回のドックではABC検診も行いましたが、胃内視鏡検査の結果と合わせ、自分に胃がんのリスクがどれくらいあるか判断できたと思います。ピロリ菌が陽性なら消化器科の外来を受診し、除菌治療を受けることをお勧めします。またABC分類の結果でB,C,D群にあたる方は、定期的に胃内視鏡検査を受けるようにしてください。
ABC分類 | A群 | B群 | C群 | D群 |
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ヘリコバクター・ ピロリ抗体 |
- | + | + | - |
ペプシノゲン値 | - | - | + | + |
胃がんの危険度 | 低 | → | → | 高 |
胃の健康度 | 健康な胃粘膜です。胃粘膜萎縮の可能性は低い。 | 少し弱った胃で、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などに注意。 | 弱った胃で、胃がんになりやすい。胃粘膜萎縮が進んでいます。 | 胃粘膜萎縮が進行し、ピロリ菌が住めずに退却した状態。 |
その後の管理・ 対処法 |
逆流性食道炎に注意。 | ピロリ菌を除菌する。 | ピロリ菌除菌の徹底。定期的な内視鏡検査。 | 毎年、内視鏡検査が必要。 |
胃がん発生頻度 | ほぼゼロ | 1000人に1人 | 500人に1人 | 80人に1人 |
ピロリ菌除菌 | 不要 | 必要 | 必要 | 要検討 |