埼玉県川越市の医療法人財団献心会 川越胃腸病院は消化器科専門病院として「高水準の専門医療技術」と「患者様の立場に立った心温かい医療サービス」を以って医療活動を遂行し、「人間尊重の医療を行う病院」を目指しています。胃,胃がん,食道,十二指腸,胆嚢,胆石,膵臓,小腸,大腸,大腸ポリープ,鼠径ヘルニア,検査,内視鏡,腹部超音波,CT,CTC,川越

外来化学療法室

新外来化学療法室の開設にあたって

化学療法室長・内科医長 山下 啓史

今年の4月に新外来化学療法室を開設することができ、外来通院での点滴抗がん剤治療をすべてその部屋で受けていただけるようになりました。新外来化学療法室では4つの専用リクライニングチェアと1つのベッドを備え、担当看護師が化学療法室内に常駐したことによって、より落ち着いた安全な環境の下で治療を受けていただけるようになったかと思います。また、来院後の、採血→問診→診察→抗がん剤治療といった一連の流れが、他の外来患者様の動線と分離されたことによって、以前より受診がスムーズになってきたのではないかと思われます。
 近年、点滴による抗がん剤治療は、一部の薬や治療法を除いた大部分が、外来通院によって行われるようになってきております。入院による患者様の時間の拘束や費用の負担を軽減することが期待され、できるだけ今までの生活を維持しながら、より安全により快適に治療を受けられるような外来化学療法室の整備が求められております。

 当院では胃がん・大腸がんを中心に、約30名の患者さんが2-3週間毎、または毎週といったスケジュールで点滴による抗がん剤を受けていらっしゃいます。新しい抗がん剤が年々開発されており、加えて近年、分子標的薬という薬が開発されたこともあって、その組み合わせによる治療法も増加の一途をたどっております。それによって副作用も皮膚の症状をはじめとした様々なものが出現する可能性があります。また今もっとも注目されている免疫療法が日本の医療現場に導入される日も近いことが予想されており、この免疫療法には今までの抗がん剤ではなかった副作用もあることが分かっています。
抗がん剤治療には目的があります。手術後であれば再発を抑えること、再発したり転移がある場合にはできるだけ進行を抑えて長生きを目指すことや症状を和らげたりすることです。それらの目的を達成するためには、できるだけ効果を引き出しつつ、副作用をうまく管理し治療を継続できるようにすることが大切です。そのため医療者には高い専門的知識や技術が必要とされます。当院は総合病院ではないために、消化器科以外の診療科がないことや当院だけではできない検査や治療があることも事実ですが、そのような課題に対しては、大学病院などの他の病院と緊密な連携を取ることによって対応して参ります。また、抗がん剤治療は高い専門性を必要とするだけでなく、身体的・精神的・社会経済的にも多くのサポートを必要としますが、がん薬物療法専門医である私が中心となって、看護師・薬剤師・事務などの多職種と機能的で小回りの利く医療チームを構成し、患者様にとって最適な医療の実現に真剣に取り組んで参ります。
開設後まだ間もなく整備しなくてはならない課題も数多く抱えておりますが、患者の皆様に快適な治療環境をご提供できますようスタッフ一同鋭意努力いたしますので、新化学療法室をご一緒に育てていただければ幸いです。