埼玉県川越市の医療法人財団献心会 川越胃腸病院は消化器科専門病院として「高水準の専門医療技術」と「患者様の立場に立った心温かい医療サービス」を以って医療活動を遂行し、「人間尊重の医療を行う病院」を目指しています。胃,胃がん,食道,十二指腸,胆嚢,胆石,膵臓,小腸,大腸,大腸ポリープ,鼠径ヘルニア,検査,内視鏡,腹部超音波,CT,CTC,川越

胃の疾患

胃癌

 胃の疾患のなかで重要なのは、なんといっても胃癌です。
 胃痛や胃もたれ、胃の不快感、膨満感、吐き気、食欲不振など自覚症状は様々ですが、早期胃癌では殆んど症状がありません。
 諸外国に比べて日本人に多く、国民病とさえ言われています。胃癌の死亡率は年々減少し、男性の癌死亡率の中では肺癌に次いで第2位、女性では大腸癌、肺癌についで第3位です。
 胃癌は早期で発見されれば治癒率は極めて高く、ほとんどの施設で5年生存率が90%を超えています。一方、進行癌になると、5年生存率は50%にも満たなくなり、中でも、リンパ節転移や肝臓転移などがあり、手術でも完全に取りきることができない第IV期癌では、5年生存率は10%以下とされています。胃癌を完全に治すには、早期癌のうちに発見することがまず重要です。
 胃癌の危険因子としては、塩分の多い食べ物や喫煙などの生活習慣が知られていますが、最近ではヘリコバクター・ピロリ菌の感染が最大の危険因子とされています。40歳代頃から増え始める傾向があると言われていますが、若い人にはできないという訳では決してありません。当院でも過去約30年の間に、20歳代の胃癌の患者様を10人以上経験しております。
 胃癌の治療の基本は手術により病巣を完全に取り除くことですが、ごく小さな癌で、明らかにリンパ節転移がないと判断されるような場合は内視鏡的に切除することも可能です。最近、胃癌に対しても抗癌剤が投与されるようになりましたが、胃癌はどちらかと言うと、抗癌剤が効きにくい癌の一つで、少なくとも外科的に切除をしないで、薬だけで治せるほどの抗癌剤は、今のところ残念ながらありません。

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胃潰瘍

 胃潰瘍は日常、頻繁に診療する疾患の一つです。
 心窩部(みぞおち)の痛み、胃の不快感、吐き気などを訴えられる方が多いようです。また、潰瘍が胃の上部にある場合、胸の痛みとして自覚され、時々、狭心症とまちがえられることもあります。潰瘍がかなり深くえぐれている場合は、背中に向かって痛みが走ることもあります。
 胃の主な働きは、胃の細胞で作られる胃酸の力によって食物をどろどろの状態に消化することです。胃では、別の細胞からネバネバした粘液を分泌し、胃の粘膜自体が消化されないようにして胃を守っています。ところが、何らかの原因で胃酸が過剰に分泌されたり、あるいは胃酸の分泌は正常でも、粘液の産生が低下したりして、相対的に胃酸の力が粘液の力を上回ると、胃の壁が消化されてしまい、潰瘍ができます。胃潰瘍も十二指腸潰瘍も、直接的には消化液(胃酸)により粘膜が消化されて潰瘍ができることから、合わせて消化性潰瘍と呼ばれています。
 胃酸が優位となる原因は様々で、肉体的、精神的ストレスも原因の一つとなります。注意しなければならないのは、整形外科や内科で痛み止めや解熱剤としてよく処方される消炎鎮痛剤、また一部の抗凝固剤です。これらは、胃の粘液の産生を低下させ、さらに胃の粘膜も弱くさせて胃潰瘍を引き起こすといわれています。
 もともと胃が丈夫でないお年寄りなどが、胃が突然激しく痛んだり、ひどいときには吐血したりして受診された場合、腰痛や膝痛のため処方されていた鎮痛剤が原因で、胃に大きな潰瘍ができていることがよくあります。リウマチなどで長い間、消炎鎮痛剤やステロイド剤を飲まれているような方も要注意です。
 最近では、胃の粘液や粘膜に生息しているヘリコバクター・ピロリという細菌が潰瘍の原因として注目されています。ピロリ菌が作り出すさまざまな物質によって、胃の粘膜が炎症を起こし、胃潰瘍の発症しやすい下地を作ると言われています。 他に煙草も胃の粘膜の働きを悪くさせ、潰瘍を作る原因になるという論文が世界中から数限りなく発表されています。
 潰瘍治療の基本は生活指導と薬物療法です。最近では胃酸の分泌を抑えることにより潰瘍を効果的に治す、いわば消化性潰瘍の特効薬が発売されています。劇的なまでに潰瘍が治ることから、最近では潰瘍の治療として手術を行うことはまずなくなりましたが、潰瘍が穿孔した場合、潰瘍からの出血が内科的にコントロ-ルできなかったりした場合、繰り返す潰瘍の瘢痕化のために狭窄となった場合は手術となることもあります。
 ただし、潰瘍が発生する源を断たなければ、潰瘍はすぐに再発します。潰瘍を根本から治すには、ピロリ菌感染が明らかであれば除菌療法を行ったり、ストレスが原因であれば心身を安静にしてストレスを開放したり、さらに暴飲暴食を避け、たばこを控え、睡眠も十分に取るなど基本的な生活習慣を正す地道な努力が必要です。症状が改善したからといって、自己判断で薬の服用を勝手に止めては絶対にいけません。
 潰瘍と胃癌の直接な因果関係は現在のところ否定的です。ただし、初期の状態では胃潰瘍と胃癌はなかなか判定が困難なことがあります。明らかに癌ではなく、良性の胃潰瘍と診断されれば、胃潰瘍そのものはそう深刻な病気ではありませんが、きちんと定期的に検査を受け、医師のアドバイスを受けて下さい。

(慢性)胃炎

 慢性胃炎も日常、多く診療する疾患の一つです。
 胃潰瘍とおなじように、心窩部(みぞおち)の痛み、胃の不快感、吐き気などを訴えられる方が多く、症状だけではなかなか区別がつきません。内視鏡で観察すると、胃の粘膜がただれていたり、発赤が散在していたりなど、胃が持続的に炎症にさらされていた所見が観察されます。
 慢性胃炎の原因は、暴飲、暴食による胃の酷使や、薬ののみすぎ、煙草の吸いすぎなど胃への負担の掛け過ぎなどが言われてきましたが、最近では、胃に生息するピロリ菌が、いろいろな意味で注目されています。つまり、ピロリ菌が排出する毒素によって胃に慢性的な胃炎を起こり、慢性胃炎がさらに進行する過程において胃潰瘍や胃癌などが発生すると言われています。
 ピロリに感染している人、特にピロリ菌感染によって萎縮性胃炎といわれる状態にある人では、感染していない人よりも明らかに胃癌の発症率が高いことから、世界保健機関(WHO)でも「ピロリ菌は胃癌の確実な発癌因子である」と警告しています。
 慢性胃炎は安易に考えられがちですが、慎重に経過を観察することが重要です。

胃ポリ-プ

 粘膜が腫瘍性にイボ状に突出しているのをポリ-プと総称しています。ポリ-プは、胃や大腸、胆嚢などの消化器の他に、声帯など体中のあちこちにできます。、形や大きさは様々で、悪性、良性いずれもありうるのですが、一般的には良性という意味合いを込めて使用しています。
 胃のポリ-プは、悪性化、つまり癌化することはほとんどないとされています。明らかに良性と診断されれば放置していてかまいませんが、組織学的に悪性化の可能性のあるもの、増大傾向のあるものは切除する必要があります。
 現在のところ、ポリ-プを効果的に治す薬はありません。

その他の胃の疾患

 胃の疾患として、他に胃憩室、胃石、クロ-ン病、リンパ腫などがありますが、いずれも比較的まれな疾患です。