埼玉県川越市の医療法人財団献心会 川越胃腸病院は消化器科専門病院として「高水準の専門医療技術」と「患者様の立場に立った心温かい医療サービス」を以って医療活動を遂行し、「人間尊重の医療を行う病院」を目指しています。胃,胃がん,食道,十二指腸,胆嚢,胆石,膵臓,小腸,大腸,大腸ポリープ,鼠径ヘルニア,検査,内視鏡,腹部超音波,CT,CTC,川越

胆嚢の疾患

胆石症、胆嚢炎について

食生活の変化からコレステロール系結石が増えています。女性は男性の2倍。40~50歳代で4%前後、70歳代では10~20%の日本人が胆石を持っているといわれています。胆石のある人の大半は、症状の無い無症状胆石で、検診で偶然発見されることも多く、症状を起こす人は1~3%と言われています。胆嚢癌の症例では高率に胆石が認められます。

(1)胆石、胆嚢炎の症状

右季肋部の痛み、右肩の痛み(放散痛)、背中の右側の痛み、心臓病を疑わせるような胸の痛み、脂肪食を食べた後に生じる痛み(これは脂肪分を食べることによって、胆嚢が収縮するため痛みが発生します)その他、吐気、発熱、黄疸(胆汁が滞り肌が黄色くなること)などがあります。

(2)胆嚢のはたらき

食事をすると胆嚢は収縮し、胆汁が一時的に多く十二指腸に流れ込む仕組みになっています。胆嚢は胆汁を貯蔵し、胆汁の中の水分を粘膜から吸収することにより胆嚢内の胆汁を5~10倍に濃縮します。

(3)胆汁のはたらき

胆汁は蛋白質や脂質の消化・吸収を助けます。肝臓で生成され、肝内胆管や肝外胆管をへて、胆嚢管から胆嚢に流れ込み貯蔵されます。胆汁の成分は胆汁酸、コレステロール、リン脂質、ビリルビン、水などです

(4)胆石、胆嚢炎の診断方法

血液検査、レントゲン検査、超音波検査、CT検査、MRI(MRCP)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影などがあります。

(5)胆石の治療法

1)溶解療法:
内服薬(ウルソ)で徐々に胆石の成分を融解する方法です。CTで非石灰化、多数個コレステロール石(混合石)に投与し,有効性を観察します(適応は胆石症全体の10%程度)。溶解に要する期間は胆石径1mmに対しておよそ1カ月として計算して内服し、有効か無効かを判断します。完全に溶けてしまうのは適応症例の約18%。再発は1年で17%、3年で40%というデータがあり、以降も溶解療法に使用した薬を飲み続ける必要があります。
2)体外衝撃波破砕療法(ESWL):
急性膵炎、肝機能障害、閉塞性黄疸を併発する危険性があり、溶解療法を併用する必要があります。再発率は1年で20%、5年で40%程度といわれています。
3)外科手術:
腹腔鏡下胆嚢摘出術: 1990年ころから導入され、胆嚢結石などの治療として世界中で行われています。当院では困難症例も含めてほぼ100%が腹腔鏡下手術の適応です。開腹手術に変更になるのは2005年~2010年10月までの集計では0.35%で内視鏡外科学会2007年全国集計では5.42%でした。

(6)胆管の走行異常

手術前に胆管の走行異常がわからなければ、思わぬ胆管損傷を招く危険性があります。
手術前に3次元CTで走行異常が疑われた場合、慎重に手術を行えば胆管損傷は回避できます。当院では幸い胆管損傷はこれまで1例もありません。


胆管のCT画像を3次元で構築して立体的に観察します。
それにより胆管や胆嚢管の性状が術前に確認でき、安全に手術が可能です。

胆嚢ポリープについて

胆嚢にできた隆起性病変です。超音波検査やCT検査で偶然見つかることがほとんどで特に症状はありません。コレステロール性ポリープが最も多く10mm以下のものは悪性の可能性が低く治療の必要はありません。ただし急速に増大傾向のあるものや10mmを超えたものは腺腫や胆嚢癌の可能性がありますので手術適応となります。手術は腹腔鏡下胆摘か、胆嚢癌の可能性があるものは開腹による手術を必要とします。10mm以下のポリープでも超音波検査やCT検査で年に1回の検診をお勧めします。

胆嚢腺筋症について

胆嚢の壁が厚くなることを特徴とする病変で、胆嚢の粘膜が胆嚢壁の筋肉の層にまで入り込んだロキタンスキー・アショッフ洞と呼ばれるものが多発したものです。通常症状はありません。超音波検査やCT検査で偶然発見されることもあります。胆嚢壁内の胆石を伴い右上腹部の痛みや吐き気をおこすこともあります。 胆嚢の壁が厚くなるためため、胆嚢癌との鑑別診断が必要になり、腹部超音波検査、CT検査、MRI検査が必要となります。CEAやCA19-9など腫瘍マーカーも参考となります。胆嚢腺筋症と判明しても、症状がない場合には積極的な治療は必要ありませんが、胆嚢胆石や胆嚢炎を伴い、腹痛などの症状を認める場合には手術の適応となります。胆嚢癌との鑑別診断が困難な場合にも手術を行うことがあります。手術方法には、通常の開腹による胆嚢摘出術と腹腔鏡を用いた腹腔鏡下胆嚢摘出術があります。どちらを選択するかは、胆嚢壁や炎症の程度により判断します。最終的に組織検査で胆嚢腺筋症と診断されれば予後は良好です。

胆嚢癌について

 大変予後の悪い病気の一つです。診断がついた時には進行癌で切除手術もできないことがあります。当院では大学病院や癌専門施設での治療をお願いしています。

くわしくはこちらをクリック

総胆管結石症について

 総胆管の中の胆石のために閉塞性黄疸、肝機能障害、急性膵炎、急性胆管炎などを併発する可能性のある疾患です。症状は胆石と似た症状ですが、敗血症を合併することもあり、胆嚢胆石より重症化することもあります。診断には血液検査、超音波検査、CT検査、MRI(MRCP)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影などを行います。治療は通常経十二指腸的に内視鏡下で総胆管胆石を除去します。胃の全摘手術後や大きな総胆管胆石など特別な場合は現在でも開腹手術を行うことがあります。