埼玉県川越市の医療法人財団献心会 川越胃腸病院は消化器科専門病院として「高水準の専門医療技術」と「患者様の立場に立った心温かい医療サービス」を以って医療活動を遂行し、「人間尊重の医療を行う病院」を目指しています。胃,胃がん,食道,十二指腸,胆嚢,胆石,膵臓,小腸,大腸,大腸ポリープ,鼠径ヘルニア,検査,内視鏡,腹部超音波,CT,CTC,川越

第13回日本医療バランスト・スコアカード研究学会学術総会にて発表を行いました

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第13回日本医療バランスト・スコアカード研究学会学術総会(2015年11月14日:大阪国際会議場・グランキューブ大阪)にて、テーマ『BSCの相互理解を深める施策と組織の成熟度・愛情度・幸福度との相関の研究』と題した研究発表を三宅憲治経営管理部長が行いました。

≪概要≫
第13回日本医療バランスト・スコアカード研究学会学術総会
■開催日    
  2015年11月14日(土)
■場 所
  大阪府:大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
■学術総会会長
  滋慶医療科学大学大学院 教授 河口 豊
■テーマ
  「地域生活を支える病院 ~HBSCによって拡がる活動~」

≪抄録≫
演題名:BSCの相互理解を深める施策と組織の成熟度・愛情度・幸福度との相関の研究
施設名/所属:医療法人財団献心会川越胃腸病院1、経営管理室2
発表者:三宅 憲治2
共同研究者:望月 智行1・望月 章子1・須藤 秀一1
【はじめに】
当院が2011年度より毎年行っている「BSCの組織への浸透度合い」を見るアンケート調査では、これまでに、2因子構造が得られている。そのうち第1の因子を「動機付け因子」、第2の因子を「相互理解因子」と命名した。これらの2因子を分析したところ、当院のBSCの浸透施策は、組織の方向性を理解させたり、目標と連動させて自己成長に結び付けさせたりすること、すなわち「動機付け因子」には比較的有効に機能していると推察された。一方、職種間の業務理解を深めたり職種間の協力や信頼関係を構築したりする効果、すなわち「相互理解因子」については、「動機付け」と比較すると弱いことが示唆された。これらから、当院のBSCの浸透施策は、職員の動機付けには有効であるものの、部署間・職種間の相互理解を深めるには課題があることが明らかになっている。
【目的】
以上のことを踏まえ、今年度から改善策として、部門間、職種間の理解がより図れるように、年度単位のBSCの要約版である「サマリーBSC」を各部門で作成し、それを病院内で共有することで部門間の相互理解を図ることとした。また、今回の調査から、経営品質賞で用いる「組織成熟度」を総合評価指標として導入するともに、併せて「職員の病院への愛情と幸福の度合い」も測定することとした。
【方法】
従来の調査は、BSCによって①病院経営への信頼感②病院の方向性への理解③仕事への意欲④協働意識の向上が望めるとの仮説に基づいて設定した13の設問項目について定量調査を行ったもの。回答は7段階のリッカート尺度、調査は配布回収法、対象は業務委託先職員などを含む全職員。今回はこれに、「組織成熟度」、「組織愛情度」、「幸福度」を加えて調査した。(2015年度n=68)
【結果】
2014年度調査と比して2015年度調査は、動機付け因子が5.67ポイントから5.88ポイント、相互理解因子も5.20ポイントから5.47ポイントと、ともに上昇した。
相互理解平均、動機付け平均、組織成熟度、組織愛情度、幸福度間の相関をみたところ(Pearson の相関係数)、「組織成熟度と幸福度との相関」を除いた全ての項目間で中程度以上の有意な相関(0.4以上)が認められた。特に動機付け因子とその他の各因子との間には、比較的強い相関が認められた。(0.557~0.657)その中でも、相互理解と動機付けとの相関が高かった。(0.657)
勤続10年未満と10年以上の職員の違いも検証してみたところ、動機付け平均、病院愛情度、幸福度平均において、勤続10年以上の職員が有意に高いという結果が得られた。
【考察】
2014年度と2015年度の両因子を比較した結果、サマリー導入後の2015年度調査では、導入前と比較して、相互理解因子が有意に上昇した。(P<0.05)このことにより、サマリーの導入は、相互理解を深める上で有効であったと推察される。
新たに導入した尺度を俯瞰すると、動機付けと組織成熟度、組織への愛情度、幸福度には正の相関関係が働いていることが分かった。
またそれらは、勤続が長いほどその傾向が強まると推察される。
【結論】
重点的な取り組みを抽出したサマリーの作成は、相互理解を深めることが考えられる。
当院においては、勤続が長いほど病院への愛情度や幸福度が高い傾向があり、そういった職員ほど組織の方向性を理解し、自己の目標と組織の目標とを連動させて自己成長に結び付けたりすること、すなわち「動機付け」が強くなることがわかった。
以上