埼玉県川越市の医療法人財団献心会 川越胃腸病院は消化器科専門病院として「高水準の専門医療技術」と「患者様の立場に立った心温かい医療サービス」を以って医療活動を遂行し、「人間尊重の医療を行う病院」を目指しています。胃,胃がん,食道,十二指腸,胆嚢,胆石,膵臓,小腸,大腸,大腸ポリープ,鼠径ヘルニア,検査,内視鏡,腹部超音波,CT,CTC,川越

日本医療BSC研究学会にて発表を行いました.

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平成26年10月18日、京都にて行われた日本医療BSC研究学会 第12回学術総会において
当院三宅憲治経営管理部長が研究発表を行いました.

・・・発表抄録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

演題名:2因子構造の分析結果から見る当院BSCの有効性と課題
施設名/所属:医療法人財団献心会川越胃腸病院1、経営管理室2、
発表者:三宅 憲治2
共同研究者:望月 智行1・望月 章子1・須藤 秀一1

【はじめに】
これまで当院では、BSCと経営品質賞の「組織プロフィール」を連動させて物語性のあるBSCを展開したり、多職種によって運用されるBSC(チーム別BSCや委員会BSCなど)を導入したり、経営計画やBSCの発表会を全ての職員に開放して経営参画や病院運営の透明性を促進する施策を展開したりするなど、BSCが組織に浸透するための施策を段階的に行ってきた。また当院では、それらの効果測定のために、2009年から、BSC浸透度調査と命名した定量調査を行ってきた。これまでの調査で、次のようなことが明らかになっている。①設問項目13項目について因子分析を行ったところ、2因子構造の分析結果が得られた。そのうち第1の因子を「動機付け因子」、第2の因子を「相互理解因子」と命名した。②BSCに物語性を付与しても、それを展開するだけでは長期的に職員の意識の向上を図ることはできない。③チームによるBSCやBSCの展開などに参加するなどの、参画や透明性を図る施策を併せて行うことがBSCの浸透を深める上で有効である。
【目的】
この4年間のアンケート調査を経年で俯瞰することにより、当院におけるBSCの有効性と課題を抽出する。
【方法】
2011年から2014年までの4回分の定量調査結果に対して、統計的な検証を加える。元となる当該調査は、BSCによって①病院経営への信頼感②病院の方向性への理解③仕事への意欲④協働意識の向上が望めるとの仮説に基づいて設定した13の設問項目について定量調査を行ったもの。回答は7段階のリッカート尺度、調査は配布回収法、対象は業務委託先職員などを含む全職員とした。
【結果】
各設問項目の経年による変化には、統計的に有意な差は認められなかった。
一方、2因子間では、全ての年度で次のような有意な差が認められた。
まず、「病院の方向性への理解」や「仕事への意欲」に関する7つの設問項目で構成された第1の因子「動機付け因子」の平均値が、「病院経営への信頼感」や「協働意識」に関する6つの設問項目から構成された第2の因子「相互理解因子」のそれよりも有意に高かった。(p<0.01)
また、「相互理解因子と「動機付け因子」を設問項目ごとに比較したところ、例えば13項目の設問項目のうち、最もポイントの高かった「自己成長」の4年間の平均は5.94ポイントで、概ね7段階評価の上から2段階(そう思う)に相当した。この設問は「第1の因子「動機付け因子」に含まれている。これに比して4.84ポイントと最も低かった「業務理解」は第2の因子「相互理解因子」に含まれており、最も高ポイントであった「自己成長」と比較すると、その差は1.10ポイントで、有意な差が認められた。(p<0.01)
【考察】
当院のBSCの浸透施策は、組織の方向性を理解させたり、目標と連動させて自己成長に結び付けさせたりすること、すなわち「動機付け」には比較的有効に機能していると推察される。
一方、「相互理解」、すなわち職種間の業務理解を深めさせたり職種間の協力や信頼関係を構築したりする効果については、「動機付け」と比較すると弱いことが示唆された。
【結論】
以上のことから、当院のBSCの浸透施策は、職員の動機付けには有効であるものの、部署間・職種間の相互理解を深めるには課題があることが明らかになった。言い換えれば、当院においては、職種間の理解を深めるための仕掛けが、より求められていると言えるであろう。
以 上